2020年10月16日
静岡県の入試選抜方法と私立の苦悩
こんにちは。
中学受験・高校受験・大学受験・個別指導・小論文対策なら興塾
です。
私は、東京等、県外の中学受験や高校受験を指導してきた経験や、現在も県内の私立・公立の中学生・高校生をみていることから、いつも、何故、首都圏の私立と静岡県の私立とで、進学実績や学力面に大きな差がでてくるのだろうと、疑問に思っていました。
人口が多い、少ないだけではないと思います。人口に比例して、私立学校の数があるからです。
高校については、かつて東京都は都立学校が中心で、日比谷高校等、優秀な都立が多かったのですが、革新派と言われた社会党系の美濃部都知事の時に、学力の格差をなくすという変な理念のもと、学区制を採用し、それまで、自由に選択できた都立高校が、住居によって制限され、都立高校の学力の低下がおこりました。
高校は、義務教育ではないのですから、中学校のようにする必要はないはずです。その結果、東京では、私立の人気が高まり、優秀な生徒は私立高校へ流れていきました。それと同時に、中高一貫教育のメリットも認識され、東京では、過半数の子供が私立中学に進学しています。
これに比べて、静岡県では、私立中学への進学は、10%程度だと思います。東京の中学受験では、落ちる方が普通なのに対して、静岡県では、受験者数自体も少なく、合格することが普通です。
県内の保護者の中学受験に対する意識が低い理由は、1つは、私立高校より、富士高をはじめとする県立高校への盲目的とも思える信用だと思います。県立の方が学力が高く、世間的にも評価されるという風潮です。
県立高校の方が、教師の教え方がうまい、というわけではありません。もともと、勉強する習慣がある優秀な生徒が多いから、進学実績もあがっているのです。
このような傾向になった一因には、高校入試における、いわゆる「静岡方式」というものが大きいと思います。
公立高校入試の選抜方法は、同じレベルの教科書を使っていても、都道府県によって、かなり違っています。小論だけでも合格できる県もあります。
内申の扱いも異なっています。静岡県の場合ですと、内申書は、中3の分だけが評価され、県立高校も、内申点が受験するかどうかの目安とされますし、私立高校ですと、内申でほぼ決まりになってしまいます。
特に、私立単願の場合は、浪人生を出さないという、変な温情から、定員をオーバーしていても、内申さえ基準を満たしていれば合格させる、という仕組みになっています。そして、各中学で、県立高校の併願も含めて、受験生を調整します。これが、静岡方式です。
ですから、どんな勉強のできない子供でも、浪人せず、高校に進学できます。その受け皿となっているのが、私立高校です。勉強のできない生徒が増えれば、その対応にも追われますし、全体的に学力は下がります。私立高校のイメージも下がります。
これでは、私立は大変です。高校浪人をなるべく出さない、ということも、ある程度理解できますが、勉強に意欲のない生徒まで入学させる必要があるのか、ということです。
高校は、義務教育ではないのですから、一定の学力に達しない生徒は、合格できない、ということは、当然といえば当然ではないでしょうか。専門学校で実地を習うとか、働いて腕をみがく、とか、そういう事の方が、いい場合もあります。勉強より、そっちの方が向いている場合もあります。
ところで、私立高校のレベル、イメージが良くない、ということと連動して、県内の私立中学のレベル、イメージ、進学率が問題になってきます。ただ、イメージだけでなく、私の経験から、私立中学の指導の方法自体に問題がある場合もあると思います。この点については、次の機会に述べたいと思います。
以上のように、県内の私立高校に対するイメージは、静岡方式によるところが大きいと思いますが、根本的には、高校の前段階である中学校、その前段階である小学校の教育に、問題があると言えます。
生徒全体の学力が高く、その中で、勉強をしたいという子供に対して、浪人生を出さない、ということなら、子供達を応援すべきだからです。
社会全体が、子供の人権ばかりを言わず、義務と責任を教えるべきです。勉強は子供の義務であり、勉強することは知性をみがき、理性を育んで、大人になる為の準備をする子供の責任であり、勉強は子供の仕事です。
ただ、経験がない子供達を守り、教育をするのは大人の責任です。
お問い合わせはお電話で
0545-62-6755

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私は、東京等、県外の中学受験や高校受験を指導してきた経験や、現在も県内の私立・公立の中学生・高校生をみていることから、いつも、何故、首都圏の私立と静岡県の私立とで、進学実績や学力面に大きな差がでてくるのだろうと、疑問に思っていました。
人口が多い、少ないだけではないと思います。人口に比例して、私立学校の数があるからです。
高校については、かつて東京都は都立学校が中心で、日比谷高校等、優秀な都立が多かったのですが、革新派と言われた社会党系の美濃部都知事の時に、学力の格差をなくすという変な理念のもと、学区制を採用し、それまで、自由に選択できた都立高校が、住居によって制限され、都立高校の学力の低下がおこりました。
高校は、義務教育ではないのですから、中学校のようにする必要はないはずです。その結果、東京では、私立の人気が高まり、優秀な生徒は私立高校へ流れていきました。それと同時に、中高一貫教育のメリットも認識され、東京では、過半数の子供が私立中学に進学しています。
これに比べて、静岡県では、私立中学への進学は、10%程度だと思います。東京の中学受験では、落ちる方が普通なのに対して、静岡県では、受験者数自体も少なく、合格することが普通です。
県内の保護者の中学受験に対する意識が低い理由は、1つは、私立高校より、富士高をはじめとする県立高校への盲目的とも思える信用だと思います。県立の方が学力が高く、世間的にも評価されるという風潮です。
県立高校の方が、教師の教え方がうまい、というわけではありません。もともと、勉強する習慣がある優秀な生徒が多いから、進学実績もあがっているのです。
このような傾向になった一因には、高校入試における、いわゆる「静岡方式」というものが大きいと思います。
公立高校入試の選抜方法は、同じレベルの教科書を使っていても、都道府県によって、かなり違っています。小論だけでも合格できる県もあります。
内申の扱いも異なっています。静岡県の場合ですと、内申書は、中3の分だけが評価され、県立高校も、内申点が受験するかどうかの目安とされますし、私立高校ですと、内申でほぼ決まりになってしまいます。
特に、私立単願の場合は、浪人生を出さないという、変な温情から、定員をオーバーしていても、内申さえ基準を満たしていれば合格させる、という仕組みになっています。そして、各中学で、県立高校の併願も含めて、受験生を調整します。これが、静岡方式です。
ですから、どんな勉強のできない子供でも、浪人せず、高校に進学できます。その受け皿となっているのが、私立高校です。勉強のできない生徒が増えれば、その対応にも追われますし、全体的に学力は下がります。私立高校のイメージも下がります。
これでは、私立は大変です。高校浪人をなるべく出さない、ということも、ある程度理解できますが、勉強に意欲のない生徒まで入学させる必要があるのか、ということです。
高校は、義務教育ではないのですから、一定の学力に達しない生徒は、合格できない、ということは、当然といえば当然ではないでしょうか。専門学校で実地を習うとか、働いて腕をみがく、とか、そういう事の方が、いい場合もあります。勉強より、そっちの方が向いている場合もあります。
ところで、私立高校のレベル、イメージが良くない、ということと連動して、県内の私立中学のレベル、イメージ、進学率が問題になってきます。ただ、イメージだけでなく、私の経験から、私立中学の指導の方法自体に問題がある場合もあると思います。この点については、次の機会に述べたいと思います。
以上のように、県内の私立高校に対するイメージは、静岡方式によるところが大きいと思いますが、根本的には、高校の前段階である中学校、その前段階である小学校の教育に、問題があると言えます。
生徒全体の学力が高く、その中で、勉強をしたいという子供に対して、浪人生を出さない、ということなら、子供達を応援すべきだからです。
社会全体が、子供の人権ばかりを言わず、義務と責任を教えるべきです。勉強は子供の義務であり、勉強することは知性をみがき、理性を育んで、大人になる為の準備をする子供の責任であり、勉強は子供の仕事です。
ただ、経験がない子供達を守り、教育をするのは大人の責任です。
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Posted by ケンゾー先生 at 14:00
│中学受験・私立中学コラム