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2013年10月29日

江戸時代の日本人の気質は?

それでは、前回に続き、今回は、江戸時代の日本人の気質について見てみます。

まず、江戸中期、植物採取のため来日したスウェーデンの医師で、

植物学者、カール・シュンベリー(1743~1828。1775年に来日し、1年間日本に滞在した)は、日本人の国民性についてこう述べています。

「賢明にして思慮ぶかく、自由であり従順にして礼儀正しく、好奇心に富み、勤勉で起用、節約家にして、酒は飲まず、清潔好き。

善良で友情に厚く、率直にして公正、正直にして誠実、疑い深く迷信深く、高慢であるが寛容であり、悪に容赦なく、勇敢にして不屈である。」


(『江戸参府随行記』 高橋文訳 平凡社東洋文庫より)

私は「この自由であり」というのが、当時が封建社会であることから理解できなかったのですが、次の資料を読んで納得しました。

それは、オランダ人のアーノルダス・モンタヌス(1625~1683)が

17世紀に来日したオランダ人の記録を集めて編纂した記録(『欧米人の日本観』 大日本文明協会編)にこう記しています。

「日本人が自由を愛するということを記すべき最良のしるし、彼等が大に奴隷売買を畏怖する点にあり。

しかも此人身売買は芝和主義を標榜し、人権を尊重すると公言している。

吾人オランダ人の之によりて大いに収利しつつある所なり。

法の前にはすべての日本人は対等にして、法は強者に抗して寧了弱者を保護す。

刑罰の荷量なる罪人に通に仕置きするの俗は却て犯罪の多くに起こるを防ぐの効あり。」

と、あったのです。

さらに幕末にフランス公使ロッシュの近辺に侍っていた、

デンマーク人でフランス艦隊の士官であるエドアルド・スエンソン(1842~1921)も、主に江戸、横浜、大阪などをめぐり、

1年ほど日本に滞在して『江戸幕末滞在記』(長島要一 訳  講談社学術文庫)を著しましたが、その中で

「彼らが文句なしに認める唯一のもの、大君から大名、乞食から日雇いに至るまで共通なその唯一のもの、それは法である」

と記しているのです。

これを見て私は、日本は明治以前から日本型の民主主義があったのではないかと思います。

柿本清美



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Posted by ケンゾー先生 at 16:58 │柿本先生